2017年2月7日火曜日

浦河から考える日高の広域公共交通試案(2)

日高の広域公共交通を浦河から考える連載の第2回です。

前回の記事では、自家用車以外の方の移動手段として最低限の公共交通が必須だという考え方と、現在の浦河を中心とした公共交通網を示しました。
では、どのような公共交通が「最低限」なのでしょうか

日帰り圏という考え方


色々と考え方はあるでしょうけれども、一つの視点として、日帰り圏というものがあります。
全国市町村アンケートによると2時間40分ですが、国交省は3時間を日帰り圏と考えているようです。
いずれにせよ2時間半から3時間程度が、日帰りで行き来できる圏域と考えて良さそうです。どこに住んでいても、一般的な実感としても妥当と言えるのではないでしょうか。

自家用車の日帰り圏


現在、国として中核都市への都市機能の選択と集中が検討、実施されています。
浦河のような農村部としては、日帰りできる都市へのアクセスの重要性は高いです。
これが自家用車の場合、何の問題もありません。

浦河町を中心とした自家用車による時間圏域
ざっくりとした図ですが、ご覧の通り、札幌や釧路まで3時間程度で到達可能です。
苫小牧や帯広まで2時間です。

公共交通の日帰り圏


ところがこれが、公共交通だとどうでしょうか。
前回の記事でもお示しした現在の公共交通をもう一度御覧ください。

浦河を取り巻く広域公共交通網

札幌まで3時間半かかっており、日帰りがちょっと難しくなります。
現実にはバスで日帰り出張している方もいらっしゃいますが...。結構身体がきついですよね。

次に苫小牧ですが、JRだと2時間半で行けていました。
これが今の代行バスでは、乗り換え時間も含めて4時間です。
これにより、例えば前回お伝えしたような苫小牧に行けない方々が現れました。

もう一つの選択肢として、苫小牧を経由して新千歳まで行くバス「うらかわ号」があります。
これは3時間で苫小牧に行くことができますが、往復一日一本しかないので、なかなか使いづらいのが正直なところです。

帯広まで4時間半釧路まではそこからさらに2時間です。

JRが運休してから、通院、買い物、仕事、家族や友人との交流など、もともと日帰りできていたものが、できなくなっている現状があります。
「最低限の公共交通」を考えるにあたって、このような都市部への日帰り圏をひとつの補助線にしてみるのがいかがでしょうか。

今回はここまで。

3月2日(木)に「日高の公共交通を考えるシンポジウム」が新冠で開催されるようです。
それまでにもう少し考えていきたいと思います。