2016年12月29日木曜日

議員定数は2減16議席。声を聴く場づくりも。より良い人を議員に!

12月15日の議会閉会後、議員定数調査特別委員会がありました。
新聞報道でもご覧になったかもしれませんが、浦河町議会は次の選挙から定数を2減らし、16議席になりました。



議員定数の議論は、ここでも何度かとりあげてきました。
本当に難しい問題だと感じます。

すでに前々回の委員会で減らす決定はしましたから、減らす数についての議論でした。
2減らして16議席とすべき、4減らして14議席とすべきとふたつの意見があり、今回はその採決でした。
私は最後の最後まで悩みましたが、最終的には2減の立場で意見しました。

4減とする声は真摯に受け止める


まず、町民のみなさんから4減らすべきと多くの声があることは承知しています。
様々な理由があるとは思いますが、端的に今の議会への不満や批判と理解しています。
そしてそれは真摯に受け止めるべきと考えています。

では、どのように応えていけるのでしょうか。
その不満は、議員の数を減らすだけで解決するでしょうか。

「偉そうに!ちゃんと声を聞いていないじゃないか!」
「今の議会は力量不足だ!」
あるいは「あの議員はダメだ!」と、具体的で辛辣な声も聞かれます。
仰る通りかもしれません。

むしろそういう方、そこのあなたにこそ、お願いがあります。
ぜひ想いや意見を同じくする仲間を集め、立候補して、議員になっていただきたいのです。
あるいは、この人こそはという方を議会に送り込んでいただきたいのです。

減らして清々しても本当の解決にはならない


2減とする立場の議員は「新人が少しでも立候補しやすい環境は残すべきだ」と考えています。
これは私だけではありません。

定数を減らせば、議員になるためにそれだけ得票数が必要になります。
それだけで「立候補なんてムリ」と諦めてしまうかもしれません。
その結果現職が、「他に立候補しないなら出たい」もしくは「後継がいないから出ざるを得ない」という状況が続いてしまいます。
悪循環です。

特定の支持基盤を持たない候補者は、なかなか議員になるのが難しいものです。
しかし今の浦河の議会にも、自らの想いで立候補して議員をしている方もいます。
他でもない私も浦河に来て3年しか経っていませんし、浦河町議会史上2番目の若さだそうです。きっと誰でも議員をやれるはずです。

このような「馬の骨(?)」みたいな私でも当選したのは、無投票になってしまうほど慢性的な議会の人材不足があります。
私や他の議員では不十分だったり、不満足だったりするかもしれません。
力不足で申し訳ありませんが、そう思っていただいても構いません。

しかし気に入らない議員を減らしても、気分は清々するかもしれませんが、こうした状況の解決にはなりません。
定数を減らしても、あなたが気に入らない議員が落選するとは限りません。
むしろ地味に目立たない仕事・貢献をしている議員が落ちるかもしれません。

より良い人が議員になれる環境を残す


ですから、その代わりにみなさんがより良いと思う方に議員になってもらうしかありません。
遠回りですが、それがシンプルに地方自治というものです。
「そんなの現実的にムリでしょ」といくら言われても、それしか解決策がないのが現実です。

「あなたは、どんな議会だったら、もしくはどんな待遇だったら立候補できるでしょうか?」
お聞きするのですが、結局
「議員はできない」「したくない」
ということに尽きるように感じます。
それが、今の議員が今でも議員をしている理由ですし、次世代を担う新人が不在では、いくら定数を減らしても何も変わりません。

自分ならもっとできる!
自分ならこうする!

そういう方にこそ、ぜひ立候補をお願いしたい。
これは私は本気で思っています。
そしてそれがより可能と思われる環境は、議会として残すことになりました。

広く町民の声を聴く場づくりを


ただそれだけで充分とは考えていません。
合わせて、当初から主張している「町民の声を広く聴く仕組みづくりを」とあらためて意見しました。

「自分の後援会や支持者の声を聞いていればいいんだ」と考えている議員もいます。
それはそれで否定しませんが、私自身はそうは思いません。
何かを判断するにあたって、それぞれの支持団体レベルだけでなく、町全体にとってはどうなのか、という視点を持つことも大事だと思うからです。

様々な考え方の町民が集まれば、意見集約も難しいのは事実です。
収拾がつかなくなるかもしません。
けれども、私はそれでもいいと思っています。

まずは小さな声でも、とにかくお聴きする姿勢を示し、議会への信頼を得る努力が必要です。
町民のみなさんにも、自分とは違う意見にすべては納得いかなくても、「そういう意見もあるのか」と理解していただく。
議会も、厳しいご意見と真正面から向き合うことがレベルアップにつながるはずです。

そのためには会派や個人で行っている意見交換会だけでは不十分です。
「減らさない。何も変えない。というのでは理解が得られない。
議会としての信頼を取り戻すような前向きな取り組みが必要だ」
と、申し上げてきました。議会として取り組むことが大事です。

ささやかながら前進も


今回の委員会では幸い「町民の声を聴こう」と同じ意見が複数でました。
これにより、荻野委員長からは採決の後、「今後、議長とも相談して何らかの場を設けるよう検討する」との発言がありました。
本当に小さな一歩ですが、まずは前進したのではないかと考えています。

また前の記事でもご報告しましたが、来年からは議会の会議録をウェブ公開し、図書館でも閲覧が可能になります。
これからは議会の様子が以前よりわかるようになりますので、まずは知るところからはじめていただければ幸いです。

一年近く議論してきた議員定数の委員会はこれで終了です。
なお、議員定数に関する過去記事は下記リンクをご覧ください。
(下が古く、上が新しい順です。)


2016年12月25日日曜日

議会・委員会の会議録がウェブにも公開!図書館でも閲覧可能に。

すっかり更新が滞っておりました。
今年の議会は12月15日の閉会をもって終了しました。
いくつか報告もありますので、年内に何回かにわけてできる限りお伝えしたいと思います。

浦河町議会の会議録がウェブ公開へ


まずはひとつ、会議録(議事録)のウェブ公開が実現します。
会期中の議会運営委員会(無会派はオブザーバー参加)で説明を受けました。
公開されるのは、本会議はもちろん、常任委員会や特別委員会(一部除く)も対象です。
2017年から公開されることになりました。

ウェブだけではありません。
図書館にも議事録が置かれることになりました
入ってすぐ右手、行政関連の資料棚のところです。

今までは浦河町役場三階の議会事務局まで来ないとみることもできず、一般の町民の方々には閲覧のハードルが大変高かったと思います。
これで議会を知ることがはるかに容易になりました。

委員会議事録の公開は先駆けか?


事務局の説明によれば、委員会までウェブ公開している自治体はまだ少ないそうです。
他自治体の状況までは詳しく把握していませんが、浦河町議会はこうした現状に先駆けて進めることができたかもしれません。

本会議(いわゆる議会)でも多少の質疑はありますが、ほとんど多くの議論は委員会でされています。
ですから、この委員会の議事録の公開は、なかなかみえづらい議員の活動を知る手段になり、議会として大きな意義があると思っています。

私自身、議会や委員会でのすべての発言をこのブログに掲載することもできませんし、議事録公開によって個人的な発信の手間や労力がかなり省けることも期待しています。

公開に至る経緯、現状と今後は


今年の3月の議会で、情報公開に関する質問をしました。
これにより、ウェブ上で公開する情報を各課で検討していただきました。

今回は議会事務局もあらためて検討していただいたようで、公開の運用基準を設けることになりました。
他の議員のみなさんにも理解が得られたのではないかと感じております。
なお、3月当時の質問については下記のリンクをご覧ください。

今ではかなり情報を開示し、多くのことがウェブでも調べればわかるようになりました。
また浦河町のサイトも、スマートフォン表示に対応しました。

浦河町公式ウェブサイトのトップページ

浦河町は移住者や転勤族の方も多いです。
いずれUターンしたいと考えている出身者もいらっしゃることと思います。

これで様々な生活情報もチェックできるはずですし、いらっしゃる前からの情報収集にも役立てていただけるのではないかと思います。
議会の議事録も公開しますので、当町の今後について議会が、どのように現状を把握し、どのような対策をとろうとしているのか、その一端もわかるようになろうかと思います。

まだ至らない点もあるかもしれません。
「こんな情報も公開してほしい!」という要望や意見があればぜひお聞かせ下さい。