2016年8月2日火曜日

日高地方で子どもを産める環境を残すために。他、浦高通学費補助の調査へ

7月26日(火)本議会の後、厚生文教常任委員会もありました。そのご報告です。

浦河高校通学費補助の請願


6月議会で請願のあった浦河高校通学費補助について、今後どう取り扱うかを議論しました。
現状の浦河高校への通学生の状況や他町村での事例を調査し、検討の元になる資料をもとに議論を進めることになりました。

上の世代からは自分の子どものことは自分たちで何とかしてきたという声もあるようですが、まずは実状を知った上で柔軟に考えるべきです。

まちなか元気ステーション


何度か議論されたまちなか元気ステーションですが、質疑はある程度終えたため、設置予定地を委員会として視察し、確認してきました。


その後委員会に戻り、持ち帰りだった各会派の意見集約の結果について報告がありました。
懸念事項だった見取り図の改善案や新設と移設との予算比較について、意見はいくつかありましたが、大きな反論はありませんでした。これをもって当委員会としては審議終了です。この後、総務産業建設委員会に差し戻されます。
なお、議会として承認された後に委託して設計される実施計画はしかるべきタイミングで委員会にまた諮っていただきます。

新型インフルエンザ等対策行動計画


国をあげた新型インフルエンザ等の対策のため、2013年に特別措置法が施行されました。
この法律によって各自治体も対策行動計画を策定しなければならないため、浦河町もつくりました。

目的は、急激な流行をできるだけ遅らせて、さらにそのピーク時の規模を小さくすることです。
細かいことは分厚い資料に色々と書かれているのですが、要するに国が緊急事態宣言を発令した時は自治体でも対策本部をつくり、関係者としっかりと情報を共有し、住民への的確な指示を徹底するとあります。

正直な話、実際に緊急事態宣言が発令された場合には、こうした細かい計画は通用しないと思っています。想定外の事態では上意下達は通用せず、多くのことは現場で判断し、むしろ下から上に、より高度な判断を要求するべきだからです。
義務なのでつくらなければならないのはわかっているのですが、震災を何回経験してもこうした国の仕組みはなかなか変わらないものですね。

浦河日赤の産婦人科の今後


その他の案件で私から問題提起させていただいたのが、浦河日本赤十字病院の産婦人科の今後についてです。

現在、浦河日赤では交代制の医師1名と6名の助産師さんが24時間体制で日高管内唯一の産婦人科を担っていただいております。
ただ、この6名はすべて50代で、内2名は道外から協力してきていただいている状況と伺っています。現在は年間約100人ほどの赤ちゃんがここで産まれています。

6月上旬の報道によると、北海道庁と一般社団法人WIND(北大産婦人科医局を法人化した組織)が浦河日赤を含む道内5病院で産婦人科医の派遣についての協定を結び、体制づくりを進めるとありました。
しかしこの支援協定の期間は2年ですし、助産師は全国的に不足しており、全員が50代であれば定年退職後の担い手のことも考えなければなりません。また24時間体制のためには本来7名の助産師が必要とも聞いており、中長期的に何らかの対応が必要なのではないかと考えています。

町として現状をどう捉えているか、また今後の対策について考えているのかをお聞きしました。
現状は同じく把握しており、あらためて町の考えを委員会でも報告するとの答弁でした。

地域医療の問題は深刻で、松前町では議会との対立により院長含む2名の医師が退職の見込み、小樽市でも後志管内唯一の周産期母子医療センターから4名いた産婦人医が全員退職の見通しです。
地域医療の崩壊がよく言われていますが、地域から理解がないまま現場が黙々とぎりぎりまでがんばり、その積み重ねの上に何らかのきっかけである日限界がくると聞いています。

浦河日赤は浦河のみならず、日高東部全体の周産期医療を担っています。周囲でも里帰り出産もいくつかありました。
ただ何でもお願いをするだけではなく、地域として早いうちから対策を検討するべきです。

まずは関係者がテーブルにつき、現状を話し合う場が必要ではないでしょうか。また住民としても地域医療に取り組んでくださっている医療現場のみなさんと対話する場を模索すべきではないでしょうか。
こうした問題も少しずつ勉強中です。


まちの病院がなくなる!?―地域医療の崩壊と再生
伊関 友伸
時事通信出版局
売り上げランキング: 208,100