2016年6月30日木曜日

機構再編、総合計画、食育。議会が未来を考えるきっかけに

6月議会(定例会)の報告が自分の一般質問のことだけになっておりました。

議会ではかなりの数の議案を処理するため、すべてを報告する難しさをあらためて感じます。
これ以上の情報公開は一議員の活動としては限界もあり、議会として取り組むべき事案ではないかと考えています。
なので今回も、自分なりの関心でいくつかとりあげてみたいと思います。

来年度に機構再編の方針


ひとつは飯田議員の一般質問「職員数の適正化」の中で明らかになった「機構改革」の件です。来年度に実施する方針との答弁がありました。

個人的には機構「改革」という呼称はちょっと大げさだと感じていて、厳密に言うと「組織・機構再編(見直し)」という理解でよろしいかと思っています。
要するに組織(浦河で言うと課や係)を編成し直すということです。

浦河町は平成17年に大幅な改革をして以来、再編していないそうです。
飯田議員の質問に対する答弁で明らかになったように、職員の作業量・残業時間が課によってかなり差があります。時代も変わってきていますし、色々と見直してもよい時期だと私も思います。

おそらく現実に変更するのは福祉分野ではないかと推測しているのですが、実は去年議員になってはじめての一般質問で、私からも観光(現・水産商工観光課)と移住促進(現・企画課)の事業の一元化を提案した経緯があります。
そのときは今ひとつ説得力に欠けた提案になってしまいましたが、考えをまとめて年内にでもあらためて提案したいところです。

今後10年の基本構想「総合計画」の策定へ


総合計画については私も関心を持っており、3月議会では予算の中で質問していたのですが、今回は武中議員が一般質問でとりあげていました。

「総合計画」はまちのもっとも重要な最上位計画です。平成23(2011)年に地方自治法の改正で策定義務はなくなったのですが、浦河町は引き続き策定する考えです。
今年はちょうど策定する年にあたり、2017年から先10年間の計画をつくります

大抵の市町村がそうなのですが、浦河も町内の各団体から代表者を選んで審議委員会を組織して議論します。
しかしその実態は町が素案を作成し、それをもとに話すだけのことが多いようです。
そこに問題意識を感じ、もっと住民がかかわってつくりあげていこうという昨今の住民参画の流れがあるわけですね。

答弁では、その審議委員会にできるだけ40代以下の委員を増やし、特に女性は最低4人ははいっていただきたいとの考えが示されました。公募もしています
↑ 7/15が締切りですので、関心ある方はぜひお申し込みください!
また報道にもありましたが、高校生会議と称して「こんな町なら住みたい」という将来像について語る場をつくっています。
さらに高校生だけでなく、町の若手職員や各界の青年部など幅広く若い人の声を拾い上げる試みを始めています。こうした声を集約し、素案をまとめていく方針です。

昨年度の総合戦略策定のときも指摘したのですが、こうした計画の常で、各界の声をもれなく詰め込んだ結果、どうしても網羅的・総花的なものになってしまいがちです。
ですが、今回は特に若い人の声を聞きながら指針をわかりやすい文章と表現でまとめ、数値目標を入れ込むことも検討するとの答弁でした。

おおむね賛同できる方針ですし、ぜひ若い世代の前向きな声にも、厳しい声にも、耳を傾けていただきながらつくりあげて頂くことを期待しています。
さらに本当に声をきくべき人たちはあまり自分からは声をあげないことも多いことをきちんとご理解いただきたいところです。
第一回目の審議委員会は8月中に開催、全6回を予定とのことです。

食の宝庫のような土地で食育を考えること


それから今回は荻野議員と木下議員が食育をとりあげていました。
ふたりとも角度は違いますが、食育の大切さを訴える内容でした。それを聞いてちょっと複雑な気持ちになったのです。

広報委員会で訪問した荻伏の給食センター

個人的な話ですが、今がちょうど繁忙期の夏いちごや昆布漁の陸(おか)まわりをアルバイトでお手伝いさせていただいてます。
地域おこし協力隊時代にもビニールハウスの業務を体験程度ですが関わらせていただきましたし、定置網漁も見学にご一緒させていただいたこともあります。釣りも、川も海も浦河の親切な方々に連れて行っていただきました。

札幌から浦河に来て「食」について考えることが非常に多くなりました。
おすそ分けとして食べ物をやりとりする機会が(お金よりも?)多いなど、都市部よりも食が生活に身近な環境だったり、浦河が誇る映画館「大黒座」で食に関するドキュメンタリーをいくつか続けて観たことも理由かもしれません。
しかしやはり、浦河を含む日高全体の食の豊かさが一番にあると思います。

無肥料・無農薬で野菜を育ててもまわりの農家さんからクレームがつかないと聞いています。馬産地の特性上、農薬が比較的少ない環境だからなのでしょうか。
「無肥料・無農薬でこれだけ立派な野菜が育つのか」と他の農家さんも大変驚くそうです。何度か食べましたが甘くて美味しいです。

農業については十勝のような大規模農業は地形的に難しい面もありますが、漁業だって漁獲量が少なくて大量消費のマーケットには不利でも、魚種が豊富だからこそピンポイントの旬に現地に来ないと味わえない季節ごとの絶品にあふれています。
このように考え方を変え、見(魅)せ方を変えれば、可能性は広がります。

とはいえ、私にとってはまだまだわからないことばかりの分野です。
ですが、そんな浦河であらためて「食育」について考えなければならない現状をどう考えればよいのか、うまく整理がつかなかったのです。
浦河には色んな可能性があると言われますが、そろそろ本気で「可能性」を「価値」に変えていく取り組みが必要なのではないか、そしてそれはみんなで協力すればできることではないかとあらためて考える機会になりました。