2016年2月24日水曜日

透析患者の移送サービス等4件の調査、国民健康保険料はどうなる?

2月15日(月)に開かれた厚生文教常任委員会についてご報告です。

❏ 国民健康保険料の負担増へ


一件目は、国の税制改正にともなって必要になる浦河町の条例改正でした。

今年も、世帯あたりに課税される国保の限度額が上がります。
基礎課税額で2万円増後期高齢者支援金額で2万円増合計4万円増になります。

今回は課税限度額の改正ですので、浦河町内で実際に負担が増えるのは、10世帯程度の高額所得者になります。
また低所得者に対する軽減措置があるので、むしろ楽になる家庭も少し増えます。

とはいえいつの間にか少しずつ負担が増えたり、新たな制度が増えている国保。
よくわからないので、ここ20年分の推移をちょっと調べてみました。



1995年は52万円だったのに対して今年は89万円。
20年で倍に近いんですね。
「家計への押し付けではないか」と言いたくもなりますが、国全体の社会保障費はどうなっているのでしょうか。
同じ期間の推移を出してみました。


1995年は64兆円だったのに対して今年度は119兆円。2016年度は120兆円を超えるでしょう。
やはり20年で倍増です。

保険料の増額もやむなしでしょうか。
なお、10年後の2025年には145兆円になるとの推計もあり、このままだとその頃には国保の課税限度額は100万円を超えてきそうですね。

ついでに払うのがかなりつらい実感のある国民年金もみてみました。



いつの間にこんなに増えているのでしょうか。
今年は年間にすると20万円の負担です。
10年も経てば、月額2万円と言われても不思議ではありませんね。

それに引き換え、私の生まれた頃(1984年)は月額6,220円だったというから驚きです。
そのさらに10年前(1974年)は月額900円だったそうです。ちょっと信じられません。

- 国民年金保険料の変遷|日本年金機構


今後も引き続き税金だけでなく、保険料も増えてくでしょう。
国家財政もそうかもしれませんが、家計もパンク寸前という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

こうしたことから従来の医療・介護・子育て・年金といった社会保障全体のあり方を国レベルで根本的に改めていく必要がある一方、もはや待っていられない現状もあります。
国や既存の制度に頼らずにやっていける環境や価値観を、自分たちそれぞれでつくりあげていかなければならないのではないかと思います。

❏ 荻伏診療所の指定管理者更新


話が少しそれてしまいました。
二件目は、この3月で期間が満了する荻伏診療所の指定管理者の更新でした。

現在の指定管理者(荻伏クリニック)は、特に問題もなく地域で高い評価を得ながら地域医療を担っていただいていることから、評価委員会の評価の上、非公募で継続更新とする方針です。

❏ 高齢者等の移送サービスの改正


三件目は、高齢者等の移送サービスの見直しでした。

ひとつは、現在一名の利用がある要介護者の一般通院に関して、介護保険制度の枠内で実施する方針です。

またさらに、人工透析の通院にかかる移送制度が変更されます。
現在は65歳以上、病院から4km以上離れた方を対象としていたのですが、この条件を廃止します。
また、新たに土曜の午後も移送サービスを実施することになります。

これにより今年は16名(実数)の利用を見込み、車両も2台体制になるとのことです。
予算としては、現在250万円が社会福祉協議会への委託料として計上されていますが、これが730万円ほどになり、利用料の徴収でも補っていただくとの説明でした。
利用料は課税世帯で300円/日、非課税世帯で150円/日、生活保護世帯は無料となります。

❏ 浦河町内の保育所環境


四件目として、荻野委員からフレンド幼稚園のチラシを題材に、町内の保育環境についての議案の提出がありました。

町部局の説明によると、フレンド幼稚園は昨年12月より北海道庁へ認定こども園の認可申請中であり、この4月から保育開始の予定。
幼稚園児の定員25名から保育として10名増、計35名体制になる見通し。
0歳から2歳までのいわゆる3号保育※ではなく、未就園児(2歳)の一時預かりと3~5歳対象の保育となります。

浦河町全体で子どもの数が減っている中、事業者によるある種の奪い合いのようなことも発生しているのではないかと懸念も指摘されました。
しかし、幼稚園や保育所をどうしていくかの5年、10年スパンでの計画は現在はなく、今後検討していくとのことでした。

※ 「3号保育」とは?

子ども・子育て支援新制度」が2015年4月からスタートしています。
幼児のお子さんがどのような施設を利用できるのかが3つの認定区分にわけられるようになりました。
詳しくは上記の内閣府の説明ページよりも下記のサイトがわかりやすそうです。

「支給認定」ってなに? |ママの知りたいが集まるアンテナ[ママテナ]



厚生文教の分野は自分自身が一町民としてかかわる場面も、仕事でもかかわったことがほとんどないので正直わからないことばかりですが、こうして議案になるたびに少しずつ勉強です。